歌ったり聴いたり新しい表現を創り出したり・・・楽しさの追求が研究テーマ。

メディア表現・楽しみのデザインと科学を実践。

21世紀は、ヒトの「夢や欲求」により焦点のあたる時代です。インターネットによるコンテンツ流通やジェスチャデバイスの普及が進み、新しい情報サービスや産業が生まれています。片寄研究室では、そうした時代背景を踏まえ、メディアデバイスを用いた音楽や映像の新しい「表現」や、インタラクティブコンテンツのエンタテインメント性のデザイン、脳活動計測を利用したヒト理解など、総合的な研究を展開しています。

私たちはこんな研究をしています!

プロジェクションマッピングを見ている人が映像を操作できたら盛り上がるんじゃないか。

建物やもの、空間などにCG 映像を映写するプロジェクションマッピングの技術は、近年注目を集めており、さまざまなイベントの演出で使われています。しかし、多くの場合は投影された映像を鑑賞するだけ。もっと盛り上がるイベントにできないかと考え、プロジェクションマッピングの映像をタブレット端末で操作して、鑑賞者も能動的に楽しめるソフトウェア「TPPM(Take Part in Projection Mapping)」を開発しました。

人の「楽しみ」を共通のテーマとして、自由な発想で多様な研究に取り組める。

非常に幅広い領域を扱う片寄研を括る研究テーマは、人の「楽しみ」。「TPPM」も「もっと楽しくできないか?どうしたら、その場にいる人が盛り上がれるか?」という点に注目して開発しました。その開発経験を活かして取り組んだ関西学院大学の「創立125 周年記念プロジェクションマッピング」では、スマートフォンを使って映像に参加できるインタラクティブパートを設け、数千人の観客が楽しめるイベントを作り上げることができました。

なんでこのゲームにはまるんだろう?「面白い」を分析し、研究する。

ほかにも多様な研究テーマがあり、レベルデザインの研究も行っています。レベルデザインとは、「プレイヤーに飽きさせずにゲームを楽しませる」ために行われる難易度調整のデザイン。従来、開発者の経験則による所が多かったのですが、最近では、アカデミックな領域でも取り組まれるようになってきています。とはいえ、国内で、その部分に焦点をあてて取り組んでいる研究室はまだ少なく、ゲームの開発を含めて先駆けとして、取り組んでいます。

学生が開発したゲーム「CheesePlanet

擬音語で奏でたドラムスのリズムから簡単に楽譜を残せる変換システム。

「ドッタンドドタン ドドタドッドタン」といった擬音語をドラム譜へ変換するシステム「Drumatopoeia」を開発しているのは、課外活動でドラムスを演奏しているメンバー。このシステムが実現できれば、専門知識がない人でも簡単に楽譜を残せるようになり、ドラムスを叩いたことのない人も曲づくりに参加できるようになります。ひいては音楽業界の発展につながってほしい。そんな願いの込められた研究も行われているのが、片寄研究室の魅力です。

研究のキーワード

音楽情報処理・音楽情報学

音楽の制作や分析、流通サービスやアプリケーションを対象としたIT関連研究分野。メディアデバイスやブロードバンド、動画共有サイトの普及などを背景として、より、身近な存在となった。

エンタテインメントコンピューティング

新しい楽しみを創造するための技術開発、楽しみの基本要素を解明したり評価法を確立するエンタテイメント性の研究、さらに、教育・エクササイズ・福祉などの様々な分野での応用研究がある。