何で楽しいの?感動するの?コミュニケーションの楽しさや感動の仕組みを解明。

身体のはたらきを活かすヒューマンインタフェース。

CGキャラクタやロボットなどの身体のはたらきに着目し、人と人をつなぐメディアとしての情報機器のヒューマンインターフェースを研究・開発するなかで、"コミュニケーションの楽しさ"、"感動の仕組み"の解明に挑戦しています。また、CGキャラクタを介して一人二役でコミュニケーションするエデュテインメントシステムの開発など、人と人をつなぐ技術の研究開発にも取り組んでいます。

私たちはこんな研究をしています!

多様な可能性を秘めた視線計測の汎用性を高め、いつか、世界中で役立つシステムを開発したい。

視線は、将来、マウスやタッチパネルに代わる新しい入力インタフェースになるかもしれないし、視線情報を収集することでビッグデータとして活用できるかもしれません。しかし市販の視線計測装置は、カメラや光源の位置が基本的に固定されており、身の回りにある3 次元の物体に対する計測は困難です。そこで私は、カメラの配置可能な範囲を表示できるソフトウェアと視線計測装置と組み合わせた「フリーターゲット視線計測システム」という視線計測の新しい形を提案しています。

人とロボットの関係を良好にする あいさつの動作と発声のタイミング。

山本研では、コミュニケーションの楽しさ、感動の仕組みを解明することを大きな目標と考えています。その第一歩はあいさつ。例えば、人とロボットのあいさつインタラクションを解析した結果、動作に対して発声の開始が0.3秒程度遅延するあいさつが好ましく、より遅延が大きくても丁寧に感じられるなど、動作に対する発声タイミングを制御することで、好ましいコミュニケーション効果をもたらすことを明らかにしました。

アプリケーション開発から はじまる人のつながり。

プレゼンテーション支援システムの開発では、よくわからないエラーで何日も悩んだり、どんなインタフェースにすべきか頭を抱えたりしましたが、それらを乗り越えて、自分の考えや努力が形になったときには、感動しますね。また、開発したシステムは色々な人に見て、触ってもらいます。さまざまな意見があるなかで、自己満足で終わることなく、ユーザを楽しませ、そこから人と人とのつながりが生まれる研究であることも、インタフェース研究の大きな醍醐味だと思います。

新たな研究室で、新たな挑戦を重ね、 コミュニケーションの本質に触れる。

どうすれば、人と人がかかわるシステムに、楽しさや感動の仕組みを導入できるか。私たちは挑戦を続けています。「タブレット端末に腕がつくと何が起きるのか?」「元気に挙手するとどんな印象を与えるのか?」「それらは人と人のつながりをどう加速させるのか?」といったハードウェアを活かした多彩な研究は、コミュニケーション支援、コンテンツ制作、エデュテインメントなど、人とかかわる多様な分野での応用が期待されています。

研究のキーワード

身体性

電話なのにうなずくなど、密接な関係にある人の身体とコミュニケーション。情報機器を活用して新たなインタフェースを開発することで、身体のはたらきを拡張したり、かかわりが実感できるようになる。

エデュティンメント

教育は、人の英知を後世に伝える、世代を超えたコミュニケーション。楽しみながら学ぶエデュテインメントを対象に研究を進めることで、コミュニケーションの楽しさ、感動の仕組みの解明をめざしている。